「フランスの家にはクーラーが無い」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
クーラーが付いている家もありますが、まだまだ少数なのが現状です。
残念ながら実際に、フランスの住居は基本的にクーラーがありません。
日本では考えられない話だにゃ。。
私が住んでいるパリのアパルトマン(集合住宅)もクーラーが無いため、夏を乗り切るための工夫をしていました。
今回は、
「フランスの家にはどうしてクーラーが無いの?」
「夏の暑い日はどうやって対策すればいい?」
といった疑問にお答えしていきます☆
※本記事では「クーラー=クーラー機能付きのエアコン」として記載しています。
フランスにクーラーがない家が多い理由
まずは、なぜフランスにクーラーの無い家が多いのか、理由を3つご紹介します。
理由①気候がよくそもそも不要
ヨーロッパ各地も最近は猛暑の影響で干ばつや森林火災のニュースが増えてきました。
でもフランス(特にパリのある北部)は猛暑になるのは限られた時期のみで、基本的にはクーラーが無くても過ごせる気候なんです。
フランスの夏は乾燥しているので、風が吹いたり日陰に入ったりすれば涼しく感じます。
日本のような「ムシムシする暑さ」というのが無いんですね。
ということで、無くてもなんとか過ごせているという状況ではありますが、
さすがに近年のように気温が40℃まで上がる日が複数あるような状況になると、クーラーが無いと辛いです。。
理由②エアコンの室外機を置くスペースが無い
平均気温が上がって暑さが厳しくなってきたら、もっとクーラーが普及してもいいんじゃないかと思いますよね。
Hamacoの実家は北日本で、子供時代はクーラーが無かったけど追々導入されたにゃ。
実はフランスの住居はエアコンの室外機を置くスペースが無いところがほとんどなんです。
また、パリなど都市部は景観に関する決まりが厳しいので、スペースがあっても置くことができないというケースもあるようです。
フランスのアパルトマンは建築されてから100年以上経っているものも珍しくありません。
クーラーという存在すら認識されていなかったであろう時代の建物に、スペースが無いのは当たり前ですよね。。
ちなみに、アパルトマンの1階が小さな店舗になっていることもよくあります。
当然ながら、そのようなお店にもエアコンはありません。
冷風機や小型のクーラーを置いているお店はチラホラあるんです。
でも、排熱用と思われる太いホースをドアの外に出すためにドアが半開きになっているので、冷房効率がいいようには思えません・・・
こんな感じです↓
理由③エコ意識が高い
フランス人はエコ意識が高いことで有名です。
少し高くてもオーガニックな商品を選んでいる人は多いですし、「それしか買わない!」という人もいます。
そんなフランス人なので、単純にエアコンは環境に悪いから使わないと考えている人も多いようです。
エアコンは消費電力が多いイメージがあって、たくさん電気を作る必要がある=環境に良くないというロジックですね。
また、違った角度からのエコで、フランス人は倹約家が多いです。
電気代をかけずに夏を乗り切りたいと考えている人もいると思われます。
買うものを厳選していて、エコバックもボロボロになるまで使ってる人が多いにゃ。
今後ますます平均気温が上がっていくであろうことを考えると、フランスでもクーラー普及に向けた抜本的な対策が必要になりそうですよね。
設置場所の課題はありますが、最近のクーラーは消費電力も少なくなっていますし、
何より夏のクーラー生活に慣れている日本人には辛いものがあるので、ぜひ普及していってほしいです!(切実)
フランスの夏|住居での暑さ対策
クーラー普及への思いを熱く語ったところで、クーラーが無いという事実は変わりません。
ここからは、ネットで調べたりフランス人に聞いた話を参考にしたりしながら私が実施した暑さ対策を3つご紹介します。
最初に宣言しますと、画期的な回避策はありません。。
あくまで暑さを軽減するための対策、として参考にしてみてくださいね。
暑さ対策①朝に換気→昼間はシャッターを閉める!
これはフランス人がよくやる方法のようです。
最高気温が高い予報の日でも、乾燥している気候のおかげで朝の時間帯は外気が涼しいです。
起きたらすぐ家中の窓を開けて換気し、遅くとも午前10時頃までにはシャッターも窓も閉めます。
当然ながらシャッターを閉めると暗いので、できれば閉めたくないんですよね。
耐えられそうな日はシャッターを上から3分の2くらいだけ閉めて過ごすのですが、
猛暑予報の日はそんなことは言ってられません!
涼しい空気を部屋に閉じ込めて過ごしましょう。
暑さ対策②扇風機を使う
当たり前のことではありますが、クーラーのないフランスの家では非常に重要なのであえて書きました。
扇風機を使いましょう!!
あると無いとじゃ全然違います。
ハッカやハーブ系のスースーするスプレーなどを体に付けておくと、風が当たった時に涼しさがアップしておすすめです◎
フランスの電気屋(有名なのはBoulanger, DARTY)や大型スーパーには、夏が近づくと扇風機売り場が現れます。
ちなみに我が家はduuxというオランダのメーカーの扇風機をフランスのAmazonで購入しました。
静かなのが売りでとても使い勝手がいいのですが、フロント部分が外れやすいのが惜しい。
暑さ対策③氷を活用する
これも何をわざわざ、という感じの内容ではありますが・・・
暑い室内で涼んだり体を冷やしたりするために、氷を活用することは大切です。
フランスの冷蔵庫は、製氷機能が付いていないものが多いと思われます。
我が家の冷蔵庫は見た目は比較的新しそうなのですが、付いていません。
冷蔵庫に製氷機能はないけどワイン収納ラックは付いてるにゃ。
そのため、暑さが厳しくなる前に氷を入手する方法をあらかじめ考えておく必要があります。
氷を入手するには、「製氷皿で作る」「買ってくる」の2択になります。
スーパーのアイス売り場に氷が売っているところをいくつか見たことがありますが、小さいスーパーには無いかもしれません。
製氷皿はMonoprixやキッチン雑貨屋などで簡単に入手できるので、もし家になければ買っておくことをおすすめします。
ちなみにマレ地区にあるBHV(ベーハッシュヴェー)というデパートはキッチン用品が充実しています。
洋服も売っていますが、DIYグッズも多く、フロアによってはハンズかロフトみたいな雰囲気です。
我が家はそこで購入した製氷皿を使っています。
ちょっと力は必要ですが、シリコンなので取り出しやすいです。
暑さ対策オマケ:暑すぎる場合は早めに避難!
対策をしてもやはり限界はあります。
私が初めてフランスで夏を過ごした2022年は、暑すぎると感じる日が10日前後はあったと思います。
まとまった雨もしばらく降らず、節水の呼びかけもありました。
私は基本的に在宅で作業か家事をしています。
でも暑すぎると思った日は、一番暑くなりそうな時間にスーパーに行くなど家を出るようにしていました。
フランスの日差しはとても強いですが、湿度は低いので日陰に入ると涼しく感じます。
あまりに暑い日は、家の中よりも公園の木陰の方が涼しいかもしれません。
暑すぎるから昼間に少しシャッターを上げて窓を開けたら熱風が入ってきて、閉めてた方がマシだったにゃ。
なお、メトロやバスも路線によってはクーラーが付いていません。
カフェも夏期は窓を全開にしてテラス席を設けているところが多く、クーラーのあるお店かどうかはチェックが必要です。
フランス人は本当に日差しが好きで、どんなに暑くてもテラス席が大人気なのはいまだに信じられません!
スーパーやデパートはクーラーが効いているので、いざという時の避難場所を考えておきましょう。
まとめ
フランスの家にクーラーが無い理由や、夏の住居の暑さ対策についてご紹介しました。
平均気温が上がってきているとは言え、ものすごく暑い日はフランス(パリ周辺)では数日間です。
とにかく換気をし、水分をよく摂って健康的な食事をし、熱中症に気をつけて過ごしてください!
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